白衣はBEAMS、理系バーで非日常デート

マンネリ気味のふたりに、新しい体験をプラス

「またいつもの家飲み?どこかに出かけない?」 ― 付き合って3年になる彼女が、退屈そうに言った。やべ…確かに、長く一緒にいるうち「デートの行き先を探す」なんてすっかり減って、お気に入りの居酒屋か、家で気楽に飲むのが定番になってた。

同僚の女子に相談すると「絵に描いたようなマンネリ手抜きだね」と冷ややかな反応。「いつも気合の入ったおしゃれなところに行くってことじゃなくて、あまり行かないようなところにチャレンジするのもいいんじゃない?」と、ユニークなバーを教えてくれた。

「理系バー」……おれ文系なんだけどな……と思いつつも、彼女にメッセージ。「今週末、四谷でデートなんてどう?」

新しい店に入るドキドキを共有。こういうの久しぶりかも。

新しい店に入るドキドキを共有。こういうの久しぶりかも。

四谷三丁目の大通りから1本入り、小さな料理屋やバーを横目に進むと「science bar INCUBATOR(サイエンス・バー・インキュベータ)」に到着。いかにも隠れ家的な佇まいで、中に見える実験器具の様子のせいか、秘密の研究所とか、そんな雰囲気。
隣では、彼女が緊張しているのか、先に入ってよという表情。そういえば、こんな感じ、最近のデートではなかったなぁ。

自分も緊張しながら、おそるおそる入店。まず目に入ったのはずらりと並ぶ白衣。「おお、理系っぽい!」と思わず頭のよくない感想が口をついて出ると、彼女はクスっと笑った。よし、1ポイント。
「お好きなものを着てください」と言われよく見ると、衿や袖口などのデザインも様々。なんと「BEAMS MEDICAL」とタグの付いた物を発見。「そんなのあるんだね!」と盛り上がり、すっかり緊張もほぐれ、お互い好みのデザインのものを選んで“正装”完了。

お互いの見慣れない姿に写真を撮ろうとおもったものの、なんか言い出しにくくて、付き合い始めみたいに照れてしまう僕。すると、「写真撮ろう」と彼女が甘えるように言ってきた。これで僕もノリノリに。
「『先生』って呼び合おうか」

徹底した“理系メニュー”ですっかり科学者気取り。

徹底した“理系メニュー”ですっかり科学者気取り。

今日はいつもと一味違うデートを…といってもやっぱり「とりあえずビール」が我慢できない……。この店ではビールはビーカーに入って出てくるらしく、彼女…いや、「先生」も興味があるということで無事ビールをオーダー。ワインが好きな彼女は、試験管で飲み比べるワインと、アルコールランプで熱するチーズフォンデュを。徹底した理系メニューの数々に、はじめの照れはどこへやら、“理系気取り”の写真をたくさん撮る僕ら。

科学者のアシストはつづく。「遺伝子占いで性格や相性が分かる!?」

科学者のアシストはつづく。「遺伝子占いで性格や相性が分かる!?」

「これも人気あるんですよ」とおもむろに店長の野村さんにすすめられたのが「遺伝子占い」。「遺伝子占い!?」ステレオ放送のように2人で返したのがおかしくて、顔を見合わせて笑い合う。なんでも、ドーパミンとセロトニンの2つの遺伝子の型を調べることで、気持ちの高ぶりやすさ、やる気の出やすさを占うのだとか。
やり方はいたって簡単。綿棒で口の内側を少し擦って渡すだけ。すぐに目の前で試薬を使って作業が始まった。「わあ、すごい!」2人して身を乗り出し、店長の手元を凝視する。
結果は2日後以降に再来店、もしくはメールで教えてくれるそうで、彼女が「また来よう」と言ってくれた。ちなみにセロトニンは「愛されると分泌される」とも言われているらしく、それを聞いて彼女は「結果が楽しみだね」と笑った。

オープンに楽しむなら科学者を交えた「サイエンストーク(飲み)」

オープンに楽しむなら科学者を交えた「サイエンストーク(飲み)」

すっかり二人で盛り上がってしまったが、店内に並ぶ実験器具や資料は他にもたくさん。「遺伝子占いの結果を聞きに来るので、その時に見せてください」と言うと、「今度イベントがあるんで、是非その時に!」と店長。
この店では、不定期に一般向け“理系トークイベント”を実施しているそうだ。研究者自身がお酒を飲みながらのトークになるので、客が一方的に話を聞くだけにならず楽しく盛り上がれるのだとか。
人から聞いてなんとなく来てみた理系バーだったけど、時間を忘れて盛り上がり、彼女もご機嫌。こんな手軽な非日常って、たくさんあるんだろうなと思って、あまり難しく考えずにふたりで楽しいことを増やしていこうと、アンテナを少し立て直す決心。