ふるさと納税

ふるさと納税は「税」という名がついていますが、実際は「寄付金」です。自治体に寄付をすると税金が控除され、寄付のお礼として市町村から特産品や観光施設の優待券などがもらえることもある制度です。

「ふるさと納税に関心はあるけど、仕組みがよくわからない」「手続きが面倒くさそう」と感じている人のために、今回は、ふるさと納税をやさしく解説します。

ふるさと納税とは?

2015年4月に新たな制度が導入され、ふるさと納税がより利用しやすくなりました。その説明の前に、まずはふるさと納税という制度の特徴について見ていきましょう。

ふるさと納税とは?

地方創生で「日本を元気に!」

ふるさと納税は、「税制を通じてふるさとへ貢献する仕組みができないか」という発想から、2008年に開始された制度です。都市で働く人などが故郷や思い入れのある地域に貢献することで、地方自治体を活性化させることを目的につくられました。

寄付をするとその額に応じて所得税や住民税が控除されるだけでなく、お礼品として特典を用意している自治体もあります。寄付金額にもよりますが、銘柄牛のステーキやホテルの宿泊券などが、実質2,000円の場合もあります。

ふるさと納税の特徴

ふるさと納税の最も魅力的な特徴は、それぞれの自治体が用意する独自のお礼品にあります。自治体の取り組みや寄付金額により異なりますが、たとえば、神奈川県小田原市は小田原かまぼこ詰めあわせ、群馬県富岡市は富岡シルク製品、長野県野沢温泉村は宿泊券など、自治体が誇る特産品などが用意されています。寄付先の自治体は原則、お米や果物、お酒など日本各地の特産品を楽しむことができます。

また、寄付金の使い道を指定できるのも特徴です。ジャンルは自然環境保護や地域産業振興、景観・まちづくりなど多岐にわたるので、地方貢献の一端を担うことができます。

便利な「ふるさと納税サイト」

お礼品の特産品や使い道をそれぞれの自治体ごとに調べるのは大変ですが、ふるさと納税サイトを活用すれば簡単です。

たとえば、「楽天市場ふるさと納税」はお礼品のジャンルや寄付金の用途、寄付金額から自治体を検索することができ、寄付したい自治体を選ぶことができます。一般のECサイトと同じような感覚で簡単に寄付できるのでとても便利です。

ふるさと納税 楽天

楽天市場ふるさと納税で、寄付したい地方自治体をさがす!

ふるさと納税の仕組みと流れ

ふるさと納税の税金が控除される仕組みと申し込みの流れについて、具体例を挙げながら説明します。

ふるさと納税で1万円寄付した場合には以下のようなお金の流れになります。

ふるさと納税 お金の流れ

1万円の寄付に対して、地方自治体からは、お礼品がもらえることもあります。さらに、8,000円が税金から控除されます。では、この控除額はどのように決定されるのでしょうか?

ふるさと納税の控除額算出の仕組み

ふるさと納税による控除の対象は、2,000円以上の寄付からです。2,000円以上の寄付をおこなった時に所得税や住民税が控除がされます。控除額の算出方法を以下の例で説明します。

たとえば、1万円をふるさと納税で寄付した場合、所得税の税率が20%であるとします。(20%という税率は20~30代の平均所得を考慮したもの)

ふるさと納税計算式

<所得税>

(1万円-自己負担額2,000円)×20%=1,600円

所得税から1,600円分差し引かれます。控除の対象となる寄付金額は、総所得金額の40%が上限とされています。

<住民税>

1)(1万円-自己負担額2,000円)×基本控除分10%=800円

2)(1万円-自己負担額2,000円)×(100%-基本控除分10%-所得税率20%)=5,600円

800円+5,600円=6,400円が住民税から差し引かれます。

したがって、所得税と住民税の控除の合計は8,000円となり、実質負担額2,000円でお礼品を手に入れられることになります。

「控除金額シミュレーター」を使う

「計算が面倒」という人は、「楽天市場ふるさと納税」サイトが提供する「控除金額シミュレーター」を使うと簡単に計算できます。自分の収入と家族構成を入力すると、実質負担が2,000円となる最大の寄付金額を知ることができます。

使い方は簡単で、たとえばStep1のところで年収600万円、配偶者は専業主婦、高校生の子供1人という条件を入れると、寄付金額が63,150円までは2,000円の自己負担ですむことが一発でわかります。

ふるさと納税 シミュレーション

また同じ条件で、Step2の寄付金の予定額を50,000円と入力すれば、自己負担は2,000円。上述した63,150円を超える70,000円と入力すると、8,850円負担しなければならないという計算結果が表示されます。

ふるさと納税シミュレーション

楽天市場ふるさと納税「控除金額シミュレーター」で計算する。

手続きの流れ

①納税をしたい自治体を選ぶ

②インターネットやFAXなどで自治体にふるさと納税を申込み、寄付金を送る(銀行振込のほかに、クレジットカードが利用可能な場合もあります)

③自治体からお礼品が送られてくる(自治体や特産品の時期によって異なります)

④自治体から送付される寄付金の受領証明書を添付し確定申告する

⑤所得税が還付され、翌年度分の住民税が控除される

ふるさと納税の注意点

自己負担額の計算はあくまで標準的な場合で、住宅ローンなど他の控除を受けていると控除額は少なくなります。

また、もともとの納税額が少ない人や、収入が年金だけの場合は、減税額が小さかったり、まったくない場合もあるなど、個人差があります。

実際に税金が控除されるのは所得税が翌年前半、住民税は翌年7月からの1年分に反映されるため、最初から実質負担が軽くなるわけではありません。

確定申告が不要になる「ワンストップ特例制度」

ふるさと納税をより利用しやすい制度にするため、2015年4月以降のふるさと納税から「ワンストップ特例制度」が適用されています。この制度は、特定の条件をクリアすればそれまで優遇税制を受けるのに必要だった確定申告を簡素化したものです。

ふるさと納税 ワンストップ特例制度

適用条件

ワンストップ特例制度を受けるためには、会社員などもともと確定申告が不要な給与所得者であることが条件です。また、1年間の寄付先は5自治体までとする制限がありますが、回数に制限はありません。この条件にあえば、確定申告の手続きを減らすことができます。

寄付先の自治体に申請が必要

ワンストップ特例制度を受ける場合は、寄付先の自治体やインターネットから申告特例申請書を受け取り、他の必要書類とともにその自治体に送付します。申請書には住所、氏名、寄付金額のほか、2016年からマイナンバーを記入するようになりました。この申請書を送付することで、居住地の自治体に情報が送られ、翌年度分の住民税が控除されます。

ワンストップ特例制度を利用した場合は、所得税からの控除はありませんが、その分の控除額が全額住民税から差し引かれます。

「ふるさと」を思う気持ちが大切

ふるさと納税の根本的な仕組みは、居住地から他の自治体への住民税の移転です。

お礼品などの特典はうれしいものですが、本質的にはその地域の活性化を応援し、ふるさとに貢献する気持ちが大切です。先の熊本地震では全国各地の自治体が支援のためにふるさと納税の代行をして、災害復興に向けた資金を集めました。

寄付する人は特産品を味わいながら地域を応援し、自治体は地域の創生をしながら、特産品をつくる生産者も幸せになれる――そんなところが、ふるさと納税の魅力です。