お箸は、人と料理を結ぶ架け橋! 最高のマイ箸を見つけよう! 大切な人へのプレゼントにも最適!

毎日使う重要なものなのに、あまりお金をかけないもののひとつに「箸」があります。

「食器はあれだけ選択肢があり、料理に合わせて変えられているのに、箸は何を食べるのにもいつも同じような箸を使っている。箸だってもっと選択肢があっていいはずだ。」。そんな理由から箸の専門店をオープンしたのが、楽天市場にも出店している「箸匠伊瑳美團十郎」の伊藤さん。
今回は、箸への深いこだわりを見せる伊藤さんに、箸のさまざまな魅力についてうかがいました。

箸は、別々に作られてペアになる

箸がどのように作られているのか知っていますか?安い箸は、工場での大量生産により作られていますが、その10倍以上の値段がする高級箸は、人の手によって作られています。

伊藤さんは、こんな話をしてくれました。

「お箸って、最初から一組じゃなく、原木から何本も作って、ひとつひとつ合わせてからぴったり合う一組にしていくんです。お箸作りで最も大変な作業がこのペア作り。これってまるで夫婦みたいですよね」

結婚のときにお祝いとして送る「夫婦箸」には、そんなエピソードが由来になっているのかもしれません。

箸は2本1組、1本では使い物にならない。それを夫婦になぞらえた夫婦箸。お店では2膳1セットで売っている。

箸は2本1組、1本では使い物にならない。それを夫婦になぞらえた夫婦箸。お店では2膳1セットで売っている。

高級なお箸がなぜ高級なのか?

一般的に1,000円以上のお箸は高級品といわれます。数百円で買える箸がある中で、なぜそれほど高級になるのか。

ひとつは、一膳を作るのに手間がかかるためです。たとえば、津軽塗りのお箸は原木から削り出すところから、塗りまで一人の職人さんが手がけることが多く、塗りの回数もかなり多くあります。

もうひとつは、せっかく塗りの手間をかけても、ペアにできなければ間引かれます。また、木は本来まっすぐにはならず、細く削っていけば反りが出てきます。せっかく、完成までもっていっても、曲がっていたら検品の際に間引かれることもあるのです。

作るのに労力がかかるとともに、間引かれる箸もあるため、価格が高くなる。

作るのに労力がかかるとともに、間引かれる箸もあるため、価格が高くなる。

手づくりの箸は、食べやすくて美しい

その箸が、手作業で作られたかどうかは「箸先」を見るとわかるといいます。

「まず、手作りのお箸の箸先は、一本一本が細く、つまみやすさを追求しています。そして、握り手は持ちやすい適度な太さです。このような形の箸は、手作業で傾斜をつけているのが一目瞭然です。機械作業だと、どうしても、持ち手から先端までの傾斜角に限界があるんです」と伊藤さんは話します。

漆は絵の具やペンキと違って、水分が抜けて「乾く」のではなく、空気中の水分を吸って硬化します。だから、梅雨時期など湿気が多い時期にはよく乾きますが、それ以外の時期は乾くのに非常に時間がかかります。しかし、その分、アルコールや洗剤ぐらいでは剥がれない丈夫さを持つことができるのです。また、高級箸の中には塗箸と銘木箸がありますが、銘木箸の場合は黒檀など丈夫な希少材を使用し、木材本来の表情を残す為、透明な漆で仕上げを施します。

さらに、伊藤さんは、「高級箸は、見た目にも注目してほしい」と言います。

「漆に絵を描いて金粉をまく蒔絵の手法はよく知られていますよね。さらに、何回も漆を塗っては磨いての工程で、わざと途中で凹みをつけて磨き模様として残す手法もあるんです。遊び心があって、面白いですよね」

つまり高級な箸は、食べ物をつかむという使い勝手をとことん追求すると同時に、耐久性があるため、長持ちしデザインの装飾や遊び心も同時に楽しめるということ。試してみる価値はありそうです。

高級箸の3つの特徴

それでは、おすすめの高級箸を見ていきましょう。高級箸には以下の3つの特徴があります。

・持ちやすくて食べ物をつかみやすい。

・丈夫なため長持ちする。

・デザインの装飾や遊びを楽しめる。

入門編としておすすめは「若狭塗」

お箸は古くから、福井県小浜市(若狭)で作られてきました。一般的な家庭でよく見かけるお箸は、小浜市で作られた若狭塗が多いのです。これには歴史も関係しています。

江戸時代以前、経済の基盤になっていた京都や大阪で使用される漆器を作っていたのが若狭でした。若狭塗のお箸は時代に合わせて、塗装剤や作り方、デザインを変えて進化しています。全国の約8割がここで作られているのです。

若狭塗り 銘匠若狭膳 加美高野 2,700円

若狭塗り 銘匠若狭膳 加美高野 2,700円(税込)

この箸は、若狭塗が得意とする貝細工をあしらった一膳。職人の手作業により、繊細な模様を持ちます。華やかな見た目は記念日やお祝いごとに最適。若狭塗は、オバマ大統領にも贈られたと言われる伝統のあるお箸ですが、比較的安価であることも特徴のひとつです。

素朴ながらも華やかさのある輪島塗

輪島塗も、古くからお箸を作り続けています。こちらは手作業にこだわりを持ち、繊細な加工、塗りが特徴です。

輪島塗り 手描精選 蔦蒔絵 8,640円

輪島塗り 手描精選 蔦蒔絵 8,640円(税込)

輪島塗の特徴は、工数の多さ。ひとつひとつの作業が細かいため、分業が進んでおり各工程を専門の職人が手がけています。蒔絵は輪島塗りの特徴のひとつで、漆に描いた絵に金粉をまぶしていく手法。一見素朴ですが、よく見ると華やさがあります。

使い込むほどに味わいが出る津軽塗

同じく手作業にこだわっているのが、青森県つがる市の津軽塗箸です。一人の職人が、原木をとるところから完成まで担当するのが特徴。非常に手間暇かかっています。

津軽塗平安四季彩 美芳 6,480円

津軽塗平安四季彩 美芳 6,480円(税込)

400種以上の塗り技術を持つ津軽塗の名品。唐塗(からぬり)模様をあしらい、華やかな印象を持ちます。津軽塗は一回の製作に1ヶ月ほどかけると言われています。使い込むほどに色合いが明るく鮮やかになる漆の特徴を存分に味わえる一膳です。

形をとことん追求する江戸木箸

もうひとつ、箸の形に対して、追求をする江戸木箸から何本かユニークな箸を紹介します。江戸木箸とは、江戸職人の手に依って約100年の伝統を持ち、現在は東京の墨田区で作られています。」

大黒屋江戸木箸 極上縞黒檀 変則五角大黒削り 8,640円

大黒屋江戸木箸 極上縞黒檀 変則五角大黒削り 8,640円(税込)

堅さと木目の美しさで有名な縞黒檀を使っている江戸木箸。一見、五角の箸に見えますが、握り部は職人が感性で削った変則的な面取りがされており、独特な握り心地を実現。また、箸先も豆などをつまみやすく、魚を切り分けやすいような工夫が凝らされています。

大黒屋江戸木箸 縞黒檀 なるほど取り箸 4,320円

大黒屋江戸木箸 縞黒檀 なるほど取り箸 4,320円(税込)

持ち手は握りやすく楕円に広がり、箸先はものをつまみやすくするため幅広で平面になっています。実際に握ってみて思わず「なるほど」と言ってしまったことからも、名前の由来がわかると思います。

良い箸を使うと、食事が特別になる

毎日何気なく使う箸を、あえて高級箸を使って食べると、食事へ対する心持ちが変わってきます。一食一食を大事に考え、その瞬間が特別な時間になるのです。箸から食が変わる、なんてことも十分にあり得ます。

また、食洗機に対応した高級箸もあるため、普段使いと特別な日で使い分けるという利用方法もあります。普段からマイ箸を常に持ち歩くのも、エコであるし、粋な心得としておすすめです。

どちらかというと、箸は地味なものが好まれますが、あえて派手な箸を使ってみるのも良いでしょう。箸によって、自分の気分も盛り上がるし、食卓がとても華やぎます。

「箸を通して、食を楽しんで欲しい。だから、うちは派手な箸をあえて多く置いています。その想いを受け取ってもらえたら嬉しいですね」と伊藤さん。

自分のためと、誰かのために箸を選ぶ

日本人であれば、箸を使わない日は、ほとんどないのではないでしょう。しかも、多ければ1日3回使うチャンスがあります。これほど継続して普段使いできる、選びごたえのあるアイテムはそれほど多くはありません。

また、箸は人と人を結びつける「橋渡し(箸渡し)」の意味があるとされて、縁起のいい贈り物とも言われています。ただし、お年寄りに送る場合は、三途の川に橋をかけると解釈して、演技が悪いと考える人もいるので注意が必要です。

自分にとっての「一品」を選び出すのと同時に、誰かのために思って選ぶのも、箸選びの醍醐味です。箸を通して人と人の「架け橋」を作るとともに、特別な箸で日々の食事をぜひ楽しんでください。